入社1〜3年目で転職を考え始めたら最初に整理すべきこと

「このままでいいのか」と思ったとき、最初にやることは転職活動ではない

入社してから1〜3年が経つと、多くの人が一度は「このままでいいのか」と立ち止まります。仕事に慣れてきて周りが見えるようになる時期でもあり、同期や同世代の話を耳にする機会が増える時期でもあります。

ここでよくあるのが、悩み始めてすぐに転職サイトに登録し、求人を眺め始めてしまうことです。行動が早いこと自体は悪くありませんが、判断の軸を作る前に情報だけを増やすと、条件面の良し悪しに気持ちが引っ張られやすくなります。結果として、何を優先していたのかが途中でわからなくなり、選考が進んでから迷いが出てしまうことも珍しくありません。

最初にやるべきことは、求人を見ることではなく、自分の状況を紙の上で整理することです。

「辞めたい理由」と「変えたい環境」を分けて書き出す

転職を考え始めたときにまず混同しやすいのが、「辞めたい理由」と「変えたい環境」です。この二つは似ているようで別物です。

「辞めたい理由」は、今の状態に対する感情や不満から出てくるものです。例えば、評価のされ方に納得がいかない、業務量に見合った裁量がない、成長を実感できない、といったものが挙げられます。

「変えたい環境」は、その理由を解消するために必要な条件です。評価制度が異なる会社に移る、業務範囲や裁量が広い部署やポジションに移る、学べる環境がある会社を選ぶ、といった形です。

この二つを分けずに転職活動を始めると、「辞めたい」という気持ちの強さだけで転職先を選んでしまい、結果として同じ悩みを別の会社で繰り返すことがあります。上司との相性が悪いことと、会社の制度そのものが合わないことは別の問題であることが多く、異動や配置転換で解決できる範囲の悩みなのか、会社を変えないと解決しない悩みなのかを、まず切り分けておくことが重要です。

書き出すための表

「整理する」と言われても手が止まると思うので、そのまま使える形にしておきます。紙でも表計算でも構いません。思いついた不満を1行ずつ、この5列で書いてください。

① 不満(事実)② いつから/どのくらいの頻度③ 原因はどこにありそうか④ 今の会社で変えられるか⑤ 優先度
評価の理由を説明してもらえない去年の評価から。半期に一度上司個人の運用異動・上長変更で変わりうる
裁量がなく、決裁がすべて上に行く入社時からずっと会社の制度・文化部署を変えても同じ可能性が高い
残業が月60時間を超える今年の4月から。毎月人員不足(一時的か恒常的か要確認)増員があれば変わる/なければ変わらない

コツは②を必ず埋めることです。「ずっとそうだった」のか「ここ数か月の話」なのかで、意味がまるで違います。一時的な繁忙期だけの不満なら、時期が過ぎれば見え方が変わるかもしれません。ただし、期間が短くても健康を損なうような状態なら、その限りではありません。長さではなく深刻さで判断してください。

「上司の問題」と「会社の問題」を見分ける

④の欄がいちばん難しいところです。きれいに二分できるものではありませんが、次の3つが判断材料になります。

3つのうち1つで決めつけず、組み合わせて仮説を立ててください。上司や部門の運用による部分が大きいなら、異動の希望を出す、上長が代わるのを待つ、という選択肢が生きてきます。制度側の問題なら短期では変わりにくい——ただし、制度改定や経営体制の変化で動くこともあります。「絶対に変わらない」とまでは言えません。

ここまでの整理を待たなくていい場合があります。ハラスメントを受けている、心身に不調が出ている、長時間労働が続いて休めていない。こうした状況なら、じっくり整理する前に相談してください。社内の相談窓口、産業医、各都道府県の総合労働相談コーナー、医療機関。安全と健康が先で、キャリアの整理は後で構いません。この記事の話は、そこに問題がない前提のものです。

「今の会社に残る」も立派な選択肢

転職を検討し始めると、つい「動くこと」が前提になりがちですが、今の会社に残るという判断も、キャリアの意思決定として同じ重みを持っています。

大切なのは、「動く勇気がなかったから残った」ではなく、「今はここで得られるものが大きいと判断したから残る」と、自分の言葉で説明できる状態にしておくことです。理由を言語化できていると、後になって迷いが出たときにも、自分の判断に立ち返りやすくなります。

ただし、残ると決めるなら期限と条件をセットにしてください。「残る」と「先延ばし」は、放っておくと見分けがつかなくなります。

この3つを書いてカレンダーに入れておくと、その日が来たときに「変わらなかった」という事実だけで判断できます。感情の強さで決めなくて済みます。

キャリアの軸を先に決めておく

転職活動を始める前に、優先順位を決めておくと選考の途中で迷いにくくなります。給与、働き方、業務内容、裁量の大きさ、学べる環境など、すべてを同時に満たす求人は多くありません。

やり方は単純です。条件を3つの箱に分けてください。

たとえば「必須=転勤なし/年収は現状維持以上/裁量のある業務」、「希望=リモート可、教育制度、業界を変えたい」、「妥協=会社の知名度、オフィスの綺麗さ」という具合です。

コツは、必須を3つに絞りきること。5つ6つ挙げたくなりますが、それだと該当する求人がほとんど残りません。逆に、絞った3つは選考が進んで迷ったときの判断基準になります。「条件はいいが必須の1つを満たさない」オファーが来たとき、事前に決めていないと、その場の条件に引っ張られやすくなります。

第二新卒や若手向けの求人には、実務経験と今後の伸びしろの両方を見て採用するものがあります(すべてがそうではなく、経験年数を厳しく見る求人もあります)。悩みが深いまま時間だけが過ぎるより、一度、外から自分の位置づけを確認しておくことには意味があります。

次にやること

ここまでの整理が済んだら、順番はこうです。

  1. 市場を見る。必須3条件で求人を検索して、何件残るか数える。ゼロに近ければ、条件のどれかを緩めるか、検索の仕方(職種名の表記ゆれ、対象サイト)を見直す合図です。測り方は自分の市場価値、正しく測れていますかに手順を書きました
  2. 書類の形にする。整理した内容を職務経歴書に落とす。読む側が何を見ているかは職務経歴書は最初の30秒で何を見られているかで書いています
  3. 在職中なら、先に足元を塞ぐ。会社の端末や公開設定など、在職中の転職活動が会社にバレる瞬間の4項目を先に済ませておくと落ち着いて動けます

ここまでは、すべて一人で無料でできます。まずはここまでやってみてください。

それでも一人で進めにくいときの相談先

整理はできても、「この経験が外でどう見られるか」は自分では分かりません。ここだけは他人の目が要ります。相談先には、大学のキャリアセンターにあたるものが社会人にはないので、転職エージェントを使うのが現実的な選択肢になります。

一例として第二新卒エージェントneoを挙げておきます。株式会社ネオキャリアが運営する20代向けの就職・転職支援サービスで、第二新卒だけでなく、既卒・フリーター・中退・高卒といった経歴の人も対象にしている点が特徴です。就職アドバイザーとの個別相談、履歴書・職務経歴書の添削、求人紹介までを無料で受けられます。

向いているのは、20代で、上に書いた整理をひととおり終えていて、自分の経験が市場でどう読まれるかを確かめたい人。向いていないのは、40代以降の方や、特定の専門職で狙う会社が既に決まっている人です。その場合は職種特化型のエージェントや直接応募のほうが早い。

この記事で書いてきたとおり、相談に行くのは「軸を決めてもらうため」ではなく「決めた軸で動くときの負担を軽くするため」です。紹介される求人はそのエージェントの取扱企業に偏るので、提案されたものを鵜呑みにせず、上で決めた必須3条件に照らして自分で判断してください。エージェントの使い方と注意点は、第二新卒エージェントの仕組みと使いどころで詳しく書いています。

第二新卒エージェントneoの無料相談を見てみる

情報収集だけでは見えないもの

求人サイトや口コミサイトを眺めているだけでも、それなりに情報は集まります。給与レンジ、平均残業時間、離職率といった数字は参考になりますが、これらの情報だけでは「自分に合うかどうか」までは判断できません。

数字が良い会社でも、任される仕事の裁量や評価の基準が自分の求めるものと違えば、結局同じ悩みに戻ってしまいます。逆に、数字だけを見ると見劣りする会社でも、実際の働き方や裁量が自分に合っていることもあります。口コミや数字はあくまで参考情報であり、最終的な判断材料にするには、自分の軸と照らし合わせる作業が欠かせません。

焦って動く前に、時間軸を決めておく

転職を考え始めると、「早く動かなければ」という焦りが出てくることがあります。特に同世代の転職や昇進の話を聞くと、その気持ちは強くなりがちです。

ただ、焦りをそのまま行動のスピードに変えてしまうと、判断の軸が固まる前に選考が進み、内定が出た時点で条件面だけを見て決断してしまうことがあります。目安として、情報整理と自己分析に数週間、実際の応募・選考活動に数ヶ月というように、ある程度の時間軸を先に決めておくと、焦りに流されにくくなります。転職は「いつまでに決めなければならない」というものではなく、自分のタイミングで進めるものだという前提を持っておくことも大切です。

相談する相手を選ぶ

一人で抱え込まずに、誰かに相談することも有効です。ただし、相談する相手によって返ってくる答えの性質が変わることは意識しておく必要があります。

友人や同僚に相談すると、感情面への共感は得やすい一方で、具体的な市場情報や選考の実情までは得にくいことがあります。逆に、転職エージェントのような専門的な相談先では、市場での自分の位置づけや、実際にどんな求人があるかといった具体的な情報を得やすい反面、エージェント自身のビジネスモデル上、提案が紹介可能な求人に偏りやすいという側面もあります。相談先ごとの特性を理解したうえで、複数の視点を組み合わせて使うのが現実的です。

まとめ

焦って動くことよりも、判断の軸を作ることを最初の一歩にしてもらえたらと思います。

  1. 新卒就活の完全マニュアル——スケジュールから内定後まで公式ルール・企業の実際の動き・自分の準備を、月別の流れで整理した総合ガイド。
  2. 夏、内定がまだない27卒へ夏でも採用が続く構造と、追加募集の探し方、春の結果からの立て直し方。
  3. 在職中の転職活動が会社にバレる瞬間漏れる4つの経路と、今日ふさげる対策。
  4. 第二新卒エージェントの仕組みと使いどころ役割とメリット、注意点と選び方を、人事側の視点も交えて。

直近7日間のアクセス数にもとづく集計です。

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